東京高等裁判所 昭和32年(ネ)1481号 判決
清算的譲渡担保にあつては、担保権利者が担保物を処分して売得金を領収したときにその都度その領収額の範囲で債務の弁済があつたものと認めるのを相当とするところ、(もちろん領収額が債務額を上廻るときはその超過額を担保提供者に返還すべきである。)原審における証人羽田野六之丈の供述および本間卓の第一回供述によれば、控訴人が羽田野六之丈から前記土地代金五万円を受領したのは昭和二八年六月一〇日であり、本間卓から前記立木代金を受領したのはうち二万五〇〇〇円については同月一九日うち一二万五〇〇〇円については同月二〇日であると認められるから、前記剰余金七〇円および右各売得金を七万円およびこれに対する昭和二七年八月五日から右弁済期(昭和二八年一月二五日)までの旧利息制限法の範囲内の利率に引直した年一割の利息及び右弁済期の翌日から右各売得金受領の日までの右同率の遅延損害金に対して右各受領の日に法定充当すれば、結局算数上右元利金合計は七万六〇〇八円であつて結局一一万四〇六二円の剰余を生ずることが明らかである。
(大江 猪俣 沖野)